備忘録:買ってみたら中古だったBuffaloのWXR-1750DHP2でUSBドライブをNASにしようと思ったらいろいろとつまずいた話

話が長くなるので先に結論

題名の通りの話なのですが、とても長くなるので結論だけ先に書いておきます。

1.BuffaloのAirStationでNAS化したいUSBストレージをXFSフォーマットで使うなら管理画面のフォーマット機能でフォーマットすべし。
せっかくLinux MintでXFSフォーマットして大量のファイルをコピーしたのに認識しなかったのですよ、とほほ‥。

2.素のままのLinux Mint 20.1ではNASに接続できない。(2021年2月20日時点)
でもSambaの設定ファイル(smb.conf)をちょっといじればつながるよ。
こんな簡単なことで軽く一時間は格闘したのですよ…。

なぜWifiルーターを買い替えたいと思ったのか

理由は二つあります。

最近、かれこれ15年は使っているAirMacの調子が悪いような気がするのです。「気がする」というのは確証はないけれど怪しい事がたまにあるということで、例えばLINEで誰かと話していると通話が切れたりします。相手はそういうことがめったにないらしく、どうも私と話しているときだけ切れるらしい。普段のYouTubeの視聴とかファイルのダウンロードでは通信が多少途切れても気が付かないんです。YouTube等はそもそも遅延や寸断は前提に作られているんだよね。

AirMacの前のWifiルーターはある日突然動かなくなって結構困った覚えがあるります。それでも当時はノートPCでもLANポートが付いているのが当たり前だったので、Wifiが無ければLANケーブルで繋げばしのげました。しかし今はあの頃とは比較にならないぐらいWifiに依存した生活です。ちなみに拙宅には現在Wifi接続機器が5台ありますがなんと5中4台がWifiしかネット接続手段がないのです。

  • メインPC:Core i5のMacbook Air (macOS Catalina)
  • サブPC:Core 2 DuoのMacbook Air (Linux Mint 20.1)
  • iPhone6
  • Amazon Fire HD8 (第8世代)
  • たまに起動するWindows10が入ったノートPC

こんな状態でWifiルーターが壊れたら目も当てられない(^^;
去年の8月に光ルーターが逝ってしまったときなど3日間も固定回線が使えなくて大変でした。たまたま携帯がテザリングOKの3GBまでの契約だったのでPCをテザリングでつないで凌いだのですが、使用量を逐一確認しながらのギガ節約生活。あのとき悟ったのです、ネットはもはや生活インフラだと…。
というわけで「もはや生活インフラ」のWifi環境を堅持するのは必須。早めにWifiルーターを更新したいと思い始めました。

もう一つの理由は細々としたファイルのバックアップをNASでやりたいから。
数年前までPCハードウェア系エンジニアの仕事をしていたのですが、そこで得た教訓が二つあります。
「物は(パソコン)はいつか壊れる。しかも突然に」
「金で買える物(=パソコン)より金で買えないモノ(=集積した情報資産)が大切」
です。

これらの教訓から、手元で使うパソコンには作業目的以外では基本的にデータを保存しないようにしています。重要なデータや恒久的に保管したいデータはクラウドストレージ(Dropbox、Google Drive、Box)に、その他の金で買ったデータ(音楽CDや映画のDVD)は外部のUSBドライブに保存しています。さらに、引退してからはネットで手に入るフリーソフトかWebアプリしか使ってないので、万が一パソコンが壊れても代価のパソコンさえあれば作業環境が復旧できるようになっています。昔は周りに各分野のプロがいて壊れてもなんとかなったものですが、引退したらこういう使い方になるわけです(^^;

ここで問題は「その他のデータ」です。以前はNASを自宅のネットワークにつないで使っていましたが、2年ほど前に壊れて以来2.5インチの1TのSSDをUSBケースに入れて使っていました。これはこれで使えないことはないのですが、イマイチめんどくさい。必要な時に手元に持ってきてUSBを刺さないといけないし、2台が同時に使えない。そこでまたNASを買おうかと考えていろいろと物色していたときに見つけたのがUSB外部ストレージをNAS化できるWifiルーターだったのです。「手持ちの1TのSSDを流用する」というのがNASの選定条件の一つだったので、こういうWifiルーターがあるなら買い換える価値があると判断したわけです。

Amazonやら価格.comやらいろいろ調べて行き着いたのがBuffaloの型落ちモデル「WXR-1750DHP2」だったわけですが、買ってみたら中古品だったという話はまた別のお話です(^^;

※ちなみに「金で買える物より金で買えないモノのほうが大切」という教訓は適用範囲が広く、今では私の人生訓の一つとなっています。

とりあえずUSBドライブをつないでみたけど…

私は分からなくなってから説明書を読む人で、説明書を見ないと使えない製品やソフトはそもそも設計思想が間違っていると思っています(^^; なのでとりあえず光ルーターにつないでWifi接続テスト。筐体の側面に書いてあるSSIDとPINでとりあえずは接続に成功。設定画面につないで念の為管理ユーザーのパスワードを変更。ここまではマニュアルを見ずに順調でした。

さて、お次はUSBドライブのNAS化です。いつも使っているUSBドライブをWifiルーターにさして、いざMacbookから接続(Finderの[移動]→[サーバーへ移動])しようとしても出来ないのです。うーむ…。ここで初めてマニュアルを読み始めます(^^; 

するとマニュアルには
「使用できるUSBドライブのフォーマット形式は、FAT12/FAT16/FAT32/XFSです」
と書いてあります。たしかUSBハードディスクはexFATでフォーマットしたはず。
うーん、めんどくさいなぁ(^^;

FAT32でフォーマットしてみた

調べてみたら1TのUSBドライブを扱えるのはFAT32かXFSの二択。FAT32はmacOSでもフォーマット可能だが、XFSはもともとUNIX系OS用のフォーマット形式でmacOSではフォーマット出来ず、かろうじてドライバをインストールすればリードオンリーでマウントできるらしい。Wifiルーターが故障した時にリードオンリーのXFSだと大変そうなのでFAT32にすることにしました。

そしてFAT32でフォーマットしてWifiルーターに刺してみたらまたもや接続できず…。今度はなんだ?と思ってまたマニュアルと設定画面を見てみたらGuestアカウントがアクセス制御で「アクセス不可」になってやがるヽ(`Д´)ノ。アクセス権を編集してついでに専用アカウントも追加してもう一度トライしたら、なぜだかGuestアカウントだけつながった。せっかく作ったアカウントでは接続出来なかったけど、とりあえず読み書きは出来るようになりました。

やっとNASとして使える目処が立ったので、一度Wifiルーターから外してMacbookにつないでデータのコピーをすることに。NASだとUSB接続の1/10ぐらいのスピードしか出ないので、大量にデータをコピーするのは大変なのです。NASはこれがデメリット。

ところが、今度はコピーしようとするとエラー表示…。どうやら4GB以上のファイルはコピーできないようで、FAT32の仕様らしい。この際だから整理して4GB以上のファイルは消そうかと思ったけど、4GB以上のファイルは軒並み映画のDVDのISOファイル。うーん、こまった。こいつらは消したくないぞ…。

しからばXFSでフォーマット

となると残りは一択のXFSフォーマットなんだけど正直言ってよく知らんのですよ、このフォーマット(^^;
調べて分かったのは、RedHat系Linuxで標準採用されているフォーマットで、大抵のLinuxではフォーマットもリードもライトも出来るということ。

最近、古くて使いみちのなかったCore2Duoの古いMackbook AirにLinux Mintを入れてセカンドマシンとして使えるようにはしてあるけど、まだ使いこなしているってほどではないんだよねぇ。将来を見据えてLinuxに慣れておこうと思ってぼちぼち使っている程度で、なにかあった時にこいつに全てを委ねるには自分のスキルに自信がないのです(^^;

しかし結局はXFS一択…。何かあったときにデータのサルベージはmacOSでも出来る、と腹をくくってセカンドマシンのLinuxを使ってXFSでフォーマットしてみたのでした。

また認識しない…

セカンドマシンのLinux MintでUSBドライブをXFSフォーマットして、4GB以上のファイルをコピーしてみました。今回はさすがにエラーなし。合計100GB近くあったのでさすがに時間がかかったけど、ちゃんと読み書きできる。これでmacOSでも読み書きできれば文句なしなんだけど、そううまくいかないのが世の常なんですね(^^;

さて今度こそとWifiルーターにUSBドライブを接続、…したけどまた認識しない(T_T)。
「XFSならOK」って言ったじゃないBuffaloさんヽ(`Д´)ノ

教えてグーグール先生!

このときはホントに「こりゃもしかしてドブに金を捨てたか?」と思ってドヨ〜ンとしたのですよ。中古品だったとはいえギャンブルのつもりで払ったお金じゃありません。「そんなはずはないよなぁ」という思いでググっていたらこんな記事を見つけました。全く同じBuffaloのWXR-1750DHP2でUSBドライブをXFSフォーマットしてNASとして使う過程を説明している記事です。

BUFFALO WXR-1750DHP2と外付けハードディスクで簡易NASを構築してみた

何が違うんだ?と読んでいて気づいたのは、この方はAirStationの管理画面にある[フォーマット]機能を使ってUSBドライブをXFSフォーマットしているということ。まさかそんなことで…、と思いつつもこれしか次の策が思いつかず藁をも掴む思いで管理画面の機能を使ってXFSでフォーマットしてみました。

そしたらなんと認識できて、macOSで(Guestだけど)接続できて、4GB以上のファイルも書き込みできたのですよ!(^^)v 

しかも、そのUSBドライブをLinux Mintのサブマシンにつないでみたらちゃんと認識されて読み書きもできる!
いやー、長い道のりだったなぁ(^^; 

しかしFAT32はmacOSでフォーマットしても認識したのに、XFSはLinuxでフォーマットしたら認識しないって、そんなトラップやめてほしい(^^; 
…というか、そもそもexFATをサポートしてほしいのですよ、Buffaloさん!

やっと接続できたけどさらなる試練が…

とりあえずメインPCのMackbookがOTAでNASにつながるようになったので当初の目的は達成したのですが一つ問題が発覚。当然つながるだろうと思っていたサブPCのLinux MintがNASを認識しないのです。

AirStaionの管理画面には「Samba」の表記があるのでAirStaionはSamba serverが稼働しているはずだし、AirStaionでする設定は「共有する・しない」ぐらいしかない。そもそもmacOSからはSambaでつながっている。

Linux MintはSambaを標準実装しているのでつながらないはずがないんだけどなぁ…。そもそもメインPCとサブPCで同時にNAS接続して作業するというのが目的の一つなので、Linux MintでNASが使えないとなると片手落ちなんです。

macOSで出来るのにLinuxで出来ないはずがないので、色々とググってこの記事にたどり着きました。

ubuntu 20.04でsambaのサーバーにアクセスできません

この方は日本のubuntuフォーラムに質問を投稿したあとに英語のubuntuフォーラムで解決策を見つけて自己解決されたようです。英語フォーラムを読んでみると「Sambaのver.4から古いレベルのネゴシエーションを許可しなくなりました」とあります。いやいや、それは度量が狭いじゃないですかSambaさん。おかげで私のような路頭に迷う子羊が発生するわけですよ(^^; しかし、古いレベルのネゴシエーションを許可しないのはデフォルト状態での話で、confファイルを修正すればイケるようです。

フォーラムにあった手引の通り、etc/samba/smb.confファイルの[global]セクションに「client min protocol = NT1」を追加して再起動したらLinux MintのファイルマネージャーからNASを認識するようになりました。 

いやー、長かった。
こんなに手間取るとは思わなかったです(^^;

おまけ:smb.confのroot権限での修正方法

Linux mintではsmb.confはroot権限がないと書き換えが出来ません。
ググるとubuntuでroot権限で編集する方法はいっぱい出てくるけどLinux Mintの方法は出てこないので、私が試した方法を書いておきます。

ターミナルから「sudo nemo」とタイプしてファイルマネージャー(Nemo)を起動すると以下のように「権限昇格」と表示され、root権限でのファイルのアクセスが可能になります。この状態でetc/samba/smb.confを開くとroot権限で編集ができます。


2021.4.4 追記
root権限で開きたいフォルダを右クリックするとコンテキストメニューに「Rootとして開く」という項目があり、これを選ぶとroot権限でファイル操作ができるようになります。
上記の方法でも可能ですが、こっちの方がスマート。
素人丸出しでお恥ずかしい…。

参考にさせてもらった英語記事の抜粋

念の為参考にさせてもらった英語のフォーラムの記事の抜粋を残しておきます

<以下抜粋>

Same issue here.

Since version 4, both Samba Server & Samba Clients do not allow an older level of protocols negotiation. You have to enable them in smb.conf file

Edit /etc/samba/smb.conf file (need root permissions)

in the [global] section, add the following line

client min protocol = NT1

Save the file and exit the editor.

You must restart the Samba Service for this change to take effect. In a terminal, enter this command:

sudo service smbd restart

You should be able to access your samba shares successfully. If you cannot connect to your samba share, you can lower even more the protocol security in smb.conf (not recommended), by using:

client min protocol = CORE

Cheers!

<ここまで>

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今後の課題:macOSでXFSドライブをマウント

macOSはデフォルトではXFSでフォーマットしたドライブはマウント出来ませんが、macFUSEというソフトをインストールしてfuse-xfsというモジュールを追加すればリードオンリーだけどマウント出来るようです。

macFUSE

fuse-xfs

導入方法はこちらの記事が詳しいです。

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